歌唱毛泽东 | 歌おう毛沢東

2021/06/14

1950年代 紅歌

中国語歌詞

歌唱毛泽东
词:托尔逊瓦依提 曲:阿不力克木 1953年?
维吾尔族民歌
我们花园的园丁是伟大的毛泽东
我们生活的意志是伟大的毛泽东
关怀我们幸福是伟大的毛泽东
我们人民的救星是伟大的毛泽东
咳 我们欢呼万岁万岁毛泽东
万岁万岁万万岁!

因为有了你我们斗争得胜利
因为有了你我们战胜了敌人
因为有了你我们光荣的新生
你是我们最敬爱的导师和父亲
咳 我们欢呼万岁万岁毛泽东
万岁万岁万万岁!

跟着你我们就会壮大成长
跟着你我们大家奋勇向前进
跟着你我们的生活繁荣幸福
你是我们最敬爱的导师和父亲
咳 我们欢呼万岁万岁毛泽东
万岁万岁万万岁!

日本語訳詞

歌おう毛沢東
作詞:トアルソンワイティ 作曲:アブリケム 1953年?
ウイグル族民謡

我らが楽園の管理者 偉大な毛沢東
我らが生きる意味 偉大な毛沢東
我らが幸せ創り出す 偉大な毛沢東
我らが人民の救いの星 偉大な毛沢東
嗚呼 ハイ! 歓呼し叫ぶは万歳万歳 毛沢東!
万歳万歳 万歳万々歳!

彼がいたから闘争にもくじけなかった
彼がいたから 敵を打ち倒せた
彼がいたから 我ら生まれ変われた
彼こそ最も敬愛する教師にして父
嗚呼 ハイ! 歓呼し叫ぶは万歳万歳 毛沢東!
万歳万歳 万歳万々歳!
 
従いゆけば 我らは躍進できるだろう
従いゆけば 我ら力と勇気が湧くだろう
従いゆけば 我らの生活に光と幸せ満ちるであろう
 彼こそ最も敬愛する教師にして父
嗚呼 ハイ! 歓呼し叫ぶは万歳万歳 毛沢東!
万歳万歳 万歳万々歳!


☆概要

作詞作曲に明らかに漢族ではない方々が並んでいる。もちろん中国は56民族を抱える多民族国家だから少数民族の歌曲があって当然だが、その中で目立つのはチベット族や朝鮮族のもので、この曲のようなウイグル族のものは少ない……が、この曲もヒットしなかったんでしょ、とスルーするのは実にもったいない。


曲を聴いてみればすぐに分かるが、我らにお馴染みのあのサウンドではなく、少し哀愁を帯びたような、かつエキゾチックな音に惹きつけられる。ただし!そういう音楽が聴きたいなら世界の民謡を掘り起こせばいくらでも出てくるもの。この曲がそれらと違うのはプラスして「いつもの」をやっている……つまり万歳万歳毛沢東~などと楽しいコトを言っているということだ。ウイグル族の旋律を使いながら、しっかり紅歌として作り上げられているところに燃えませんか?燃えるでしょ!

 

そういうわけでとっても好きな曲なのだが、どうもあんまり人気がない。こんなに良い曲なのに。どんなマイナーソングでも意外とYouTubeに上がっていたり、愛好者がウェブサイトにアップロードしていたりする。それでもダメならbilibili。あそこには変態的にマニアックな紅歌があって、例えば、なんかの劇中歌として方言で歌われている語録歌とかいう「どっから拾ってきたの」的モノで溢れている。だのにこの曲はないのだから非常にもったいない。こんな名曲を忘れ去ってはいけないよ。

 

現在、音源として確認できているのは中国音乐家音像出版社出版,中国音乐家华声音像集团发行(発売)の「颂歌献给毛主席--永恒的怀念」というカセットのみ。

 

 

 

このカセットのアレンジは実に良い。そもそも「红太阳--新节奏联唱」を嚆矢とする90年代紅歌カセットは全部、毛主席くらいすき。それらのカセットは時代背景も手伝い、電子楽器を主として紅歌を構成し直している。今聴くと安っぽいことこの上ないシンセの音や、全体的に軽っぽいサウンドは好き嫌いが分かれるかもしれないが、政治的音楽+電子音楽=革命的威力というのはすでに普天堡電子楽団が証明しているハズだ。

 

多くの紅歌がそうした電子の洗礼を受けたのだが、もちろん合う合わないがある。東方紅をミョーンミョーン言わせても良曲にならないことは明白だろう。しかしこの歌についていえば、そういう音と非常に相性が良いと思う。百見は一聴に如かずというわけで、音源をアップロードするのでぜひ聴いてみてほしい。なんか日本の80~90年代歌謡曲みたいな不思議な懐かしさと異国情緒が同居する名アレンジ。この曲の作曲者である過去推量みたいなお名前の人の作った作品をもっと聴いてみたくなったし、ウイグル族の音楽にもがぜん興味が湧いた。

 

ウイグル族の音楽センスが優れていることは本曲を聴けば推し量れるが、作詞の感覚も負けてはいない。「しつこさ」と「過剰」はわが漢民族のチャームポイントだけれども、この作詞者はそのへんをしっかりと抑えている。万歳と偉大を使いすぎて、逆に白々しい感じまで出ているのが最高だ。


もちろん、そういうネタ的な見方だけではない。曲調に合わせて何度も繰り返されるフレーズは、歌いやすさや覚えやすさといった要素を強めることに貢献しているといえよう。革命歌としては必須の項目だ。

 

ちなみに作詞者のトアルソンワイティ同志は漢字を基に音におこしたので、本当にそういう発音の、つまりトアルソンワイティっていうお名前かは分からない。 

 

創作年度はカセットの歌詞カードなどに記載がなく不明だが、こちらの雑感がにじみ出るサイトに1953年と書かれている。和平解放(1949~50年)と自治区化(1955年)に挟まれた年代で、その当時のウイグルがどのような状況だったかがわからぬが、中国共産党と毛主席の宣伝のためにこの曲が創られたのだろうか。そもそも上記のサイトの記述を信用してよいかわからないけれど、毛主席万歳が浸透していくにつれてあまり「毛沢東」呼びはされなくなったと言われるから、たしかに1953年くらいが妥当な年代であろう。

 

☆音楽


GoogleDriveへのリンクです。このページにプレーヤーを直接埋め込めたら良いんですけどね。