葫芦丝(フルス・ひょうたん笛)の吹き方

2020/08/07

志在四方山ばなし

葫芦丝との出会い

先日、ある中国雑貨店に行ってきた。そこのウェブサイトで文革期の古い牌子(看板)が売られている事を発見したからだ。よくそんな、私の家族の言葉を借りれば「ガラクタ」を取り扱ってる店があるものだなぁ、と思いつつお宝をゲットしに伺った。実は去年の暮にも一度、その店を訪ねたことがあったので老板とは顔なじみ。さまざまな中国談義に花を咲かせ、牌子が有るか聞くと、老板いわく「あれは中国でゴミの回収をしている人から買ったものだ」。まさか本当に「ガラクタ」扱いだったとは。

そんなこんなで牌子と、プレイルールがイマイチわからない軍人将棋、公安の徽章といったお宝を手に入れて帰ろうとしたら老板がオマケをくれるという。前回伺ったときもオマケで解放帽と紅衛兵腕章をくれた気前のいい人である。今回は何をくれるのかとワクワクで待っていたら「これも持ってけ!」と笑いながら、その手にはオマケと言うには豪華すぎる品が握られていた。
豪華な「オマケ」。これ以外にも五星紅旗と勲章のレプリカをいただいた。
牌子とこの葫芦丝を手に入れた中国雑貨店と寛大な老板については、また別の機会に紹介したい。


吹いてみよう!葫芦丝

画像にある通り、教本までいただいたので大急ぎて家に飛んで帰り、吹いてみることにした。「リコーダーと同じ感じかな」などと思いつつ、おもむろに教本の演奏方法と吹奏姿勢のページを見たところ……
まさかの漆黒。こういう中国らしさを目の当たりすると笑ってしまって、むしろリラックスして学習できた。結果から言うと、演奏方法はリコーダーとほぼ同じ。姿勢は寝ながらでもなんでも吹ける。墨塗り教科書状態なので確証がないが、おそらくは楽器を持ったときに左手が手前側、右手が奥のスタイルだろう。吹く姿勢……というより楽器の持ち方は尺八のように下に向けたほうが良いのかも知れない。


・葫芦丝の構造
音孔の数は全部で7つ。横についている管は高音管と低音管。低音管は常時解放で、高音管は蓋がついていて開閉できる。しかし、どちらも持続音を出すもので、高音管を開放するとずっと「ピィーー」と音がするだけ。素人だからどういう用途で使うのかいまいち判然としないし、この教本にも書いてなかったのでよく分からない。感覚で吹くことをオススメする。

素材にひょうたんを使っていることもあって、なかなかデリケートな楽器であると思われる。長く吹いていると中に湿気が溜まってしまったり、唾液が流入してしまうので、吹奏したのちは下に向けて数回ほど振ったり、湿気のない場所に置いたりしたほうがいいかも知れない。振った際に、ひょうたんのかすが出てくることがあるので注意。


・中国の楽譜

中国では音の表記に五線譜ではなく、数字譜(简谱)が汎く用いられる。
1から7まで。それぞれ「ドレミファソラシド」に相当する。何も付いてない数字が中音、下に点が付いていれば低音で、上に点がついていれば高音。高音中音低音は日本語ではなんと言えばよいのだろうか。

本ページでは数字譜と「ドレミ」を併記して音の解説を行う。


・音階

すべて指を閉じた状態で低いソ
低いラ
低いシ


ファ


低いソと同じく音孔をすべて塞いで弱めに吹くと低いミ


リコーダーに近くて親しみやすいはずだ。低音は強めに吹かないと音が出てこないが、高音は強く吹きすぎると音が出ないので注意。また、あまり強めに吹いていると壊れるらしい。

教本によると、ファの音にはもう一通りの出し方があり、上図のファから中指の部分、第2音孔を開放するとファになると書いてある。しかし、そのとおりに吹くと明らかに違った音が出るので、一体何の音なんだかよく分からない。おそらくファのシャープか……?

個体にもよると思うが、低音のミはあまり音が出てこない。あまり弱く吹くとプピーという音しかしないし、強く吹くと低音のソになってしまう。何度も練習してみると良いかも知れない。

一通り1234567と繰り返せば徐々に運指を覚えられるハズ。実践に挑戦してみたくなったら好きな音楽の楽譜に沿って演奏してみるとより上達するだろう。このサイトで取り扱っているような紅歌だと「曲名+葫芦丝」、あるいは「曲名+简谱」で検索すれば、かなりの割合で中国のサイトの数字譜が出てくるはずだ。

教本に載っていた練習用歌曲も2曲掲載しておこうと思うので、ぜひ「好好学习,天天向上」してもらいたい。


・アリラン

・四季の歌

・符号
单吐というのは「トゥ」と息を強く出す演奏法。双吐になると「トゥク トゥク」、三吐になると「トゥトゥク」あるいは「トゥクトゥ」と書いてある。单吐がいちばん分かりやすいか。上記、「四季の歌」の楽譜に従うと「をあいするひとは」というように強弱を使い分けてメリハリを出しているのだろう。二、三はそうして強く吹きつつリズムをもたせるということだと思われる。他にも様々な記号があるが、私もそこまで高等なところに達していないので解説ができない。


・運指表
上 全ての音孔を塞いだときの音をソとする(本記事で紹介)
下 全ての音孔を塞いだときの音をドとする


上 全ての音孔を塞いだときの音をレとする
下 全ての音孔を塞いだときの音をファとする


参考

李春华 『葫芦丝 巴乌实用教程』,民族出版社,2002年