開設にあたって

2020/06/21

志在四方山ばなし

このサイトの目的

このサイトは、主に中国の「紅歌」と呼ばれる革命歌曲群を翻訳し、紹介することを目的として設立しました。また、タイトルにある通り、毛主席のファンクラブなので、中国共産党の草創期から文化大革命までの、毛主席の功績や思想についての研究や、文化大革命期の生活や文化についての考察、現代中国に関する発信も行っていこうと考えています。


紅歌とはなにか

紅歌とは、その名の示すとおり、赤い歌、つまり共産主義の歌という意味です。共産主義の歌といえば、哀愁を帯びた民謡の趣を持つソ連の歌曲や、懐かしさを感じさせるメロディーに新しい風を吹き込み、日本語ではあまり用いられないような過剰、過激な歌詞を持つ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の歌曲のほうが有名で、中国の歌は残念ながらあまり知られていません。

その理由としては「文化大革命の頃に流行った歌だから」、「上記の二国に比べるとシンプル…というか雑だから(あまり洗練されていない音楽が多い)」という二点が挙げられるでしょう。文化大革命では今までの文化が批判されたので、その間隙を埋めるために突貫作業で作られた紅歌も多く、そういったものはいかにもな間に合わせソングでした。また、文化大革命では多くの人が批判され、そうでなくとも下放や社会の混乱によって損害を受けた人々が多いため、社会全体が文化大革命をタブー視しています。したがって、当時のメインカルチャーであった紅歌も次第に歌われなくなってしまいました。

しかし、細々とではありますが紅歌は作り続けられ、歌い継がれてきました。北朝鮮ほどではありませんが。現代の中国においても薄熙来の「唱紅打黒」キャンペーンや膜蛤文化(江沢民元国家主席をイジりつつ称えるネット文化)、おばちゃんたちが踊り狂う広場舞など、思わぬところに顔を出します。最近では習近平主席を称える新紅歌と呼べるようなものも出てきています。また、来年2021年の中国共産党建党100周年に向けての紅歌が新しく作られるでしょうし、習主席の政権であるならば、紅歌は比較的重視され続けるでしょう。紅歌は全然流行っていないし、歌えたとしても敏感な話題が絡むため、何かの役に立つことは少ないかもしれません。ですが、上記のように紅歌は意外と現代でも意義を持っています。従って、紅歌を学習するということは人民に対する宣伝や、中国の文化の一端を解明することにつながります。そして何より、良い曲が多いからもっとたくさんの人に知ってもらいたい!紅歌の魅力を少しでもお伝えできるように頑張ります。


翻訳について

「東方紅」や「我愛北京天安門」などの有名曲は多くの同志が日本語訳をされています。ですので、私は毛主席の十六字訣にある「敵進我退」に倣って有名曲も翻訳しつつ、マイナーな曲、まだ翻訳されていない曲をメインにしていきたいと思います。

日本語訳についてですが、全体として、日本の軍歌のようなカチカチの文語でもなく、現代の多くの歌曲のようなポップすぎる語調でもない…といったところを目指しています。もちろん、その歌に合わせて翻訳のテイストを変えてお届けしようと思っています。

また、日本語にした際に不自然な部分、しつこい部分は改訳、削除しています。例えば中国語の「您(目上の人に対する二人称)」は日本語にすると「あなた」となってしまいますが、毛主席に向かって「あなた」というのは少し不自然かな、と思うので「主席」と言い換える、成語や日本語にない表現を直訳することは避ける、などです。したがって、かなり意訳ぎみになっていると思いますがご了承ください。

翻訳ミスなどがありましたら、ぜひご指摘をお願いします。


運営者について

中学時代に「没有共産党就没有新中国」を聴き、そのゴリ押し感とシンプルさに衝撃を受けて紅歌にどハマリした日本人です。ハマりすぎて大学進学の際も中国関係の専攻があるところを選びました。


今までも自身で翻訳を行ってノートに記録するなどしていたのですが、それを公開する事によってどこかの同志に喜んでいただけるかも知れない、と思ったのもこのブログを始めた理由の一つです。