中国語歌詞
日本語訳詞
☆概要
もしかして:
我们是毛主席的红卫兵~♪で始まる音楽→「红卫兵战歌」
「红卫兵 红卫兵 文化革命当尖兵~♪」で始まるかなりマイナーな紅衛兵ソング→「红卫兵之歌」
このブログを開設して、この記事で100本目を迎えるらしい。そんなめでたい節目に、誰も知らない華主席ソングとかヘンテコな少数民族ソングを持ってくるのなんだかもったいない。だから我らの永遠の愛唱歌にして紅衛兵群衆のテーマソングこと革命造反歌を翻訳してお届けしようというわけだ。
まず、なにが最高って、このクラクラするようなタイトル。下手に装飾せずに直球勝負なところが朝气蓬勃たる青年たちらしくて良いですね。このストレートソングの作詞は、『中国文化大革命事典』によると、北京大学附属中学校の「紅旗戦闘小組」による集団作詞、作曲はそこ所属の羅少華同志だとされている。文化の革命といっても結局はプロの音楽家の手になる音楽がやはり大勢を占めた当時にあって、こういう人民の人民による人民のための音楽は希少であろう。なお、同事典ではこの曲が1968年の頁に収録されているが、北京大学が大暴れした頃なので、創作年度はやはり1966年ではなかろうか。
当時の紅衛兵も大いに歌ったろうし、今日の紅衛兵たる私もさんざん歌った歌曲なのだが、あまり音源が残されていない。こんな有名な曲なのになぜ?と思ったが、悪い意味で有名だから音源として新たに収録することもためらわれたし、なにより当時の記憶を鮮明に蘇らせすぎるこういった曲は避けられたのだろう。ほぼ唯一と言ってもよい音源として有名なのはラストエンペラー終盤で紅衛兵たちが忠の字踊りをしながら歌ってるヤツだろう。一番のみの歌唱だが、紅歌がメインの映画ではないため致し方なしか。
こんなに少ない音、音階で曲調が構成されているというのは音楽に対する革命のよう。ふつう音楽っていうのもうちょっと練り上げられて、聴衆に届けるために書き上げられるものだと思っていたが、これは……なんか決意表明のような歌だ。既存の歌曲の枠にとらわれないのは素晴らしいが、唯一無二すぎてどこにもカテゴライズできない、そんな存在。
本人たちは「もし紅衛兵をパリ・コミューンの子孫だとすれば、とりもなおさずこの軍歌《革命造反歌》は、《インターナショナルの歌》のジュニア版である。(上掲事典より引用)」と自認していたようだが、我らはパリ・コミューンの子孫ではなかったし、インターナショナルのジュニア版になることもできなかったようだ。ただし、革命歌であれども矩をこえずといった趣のインターナショナルよりも、中国らしさと共産主義風味をこれでもかと盛り込んで音楽に革命を起こしているような本曲のほうが、よほど立派な革命歌であると私は思う。
曲に合わせて歌いやすい歌詞は覚えるのも簡単で、人民の歌曲として合格点だ。単純なng韻ではあるが、ちゃんと韻を踏んでいるのも気持ち良い。
印象的な初っ端のフレーズ、「拿起笔,做刀枪」というのは武闘よりも文闘をという最高指示に適合するもので大変結構なのだけど、当時の紅衛兵の暴れっぷりを見ていると取った筆を突き刺してそう。
「革命師生」というのは「革命的な先生と生徒」という意味。文化大革命は学生の闘争というイメージがあるが、先生方もこぞって参加していた。それが証拠に、文革初期の北京大学で権勢を振るった聶元梓さんは哲学科の講師だった。
紅衛兵の暴力的イメージとは裏腹に、あまり過激な曲じゃない気もする。たしかに「我らが消し潰す」とか暴力的な事を言っているが、「日本鬼子の頭を吹きとばせ!殺せ!」とか言っている曲もあるのでそれに比べればマシな方。ただし、紅衛兵も同じことを感じ、物足りないと思ったようで、この曲でよく使われる掛け声は「杀!杀!杀!(殺せ!殺せ!殺せ!)」。酷すぎ。でも革命は客を招いてごちそうすることではないのでしょうがないかな。
上掲事典に数字譜が掲載されていたからここに引用したいのだけれど、愛機であるHUAWEI nova lite2がご臨終で写真撮れないからまた今度。
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