中国語歌詞
※「长白千里歌声嘹亮」は「长白千里战鼓隆隆」とも
※「延边人民祝愿您万寿无疆 万寿无疆」は「延边人民跟着您 我们前程灿烂辉煌」とも。
※「延边人民纵情歌唱 我们心中的红太阳」は「延边人民无限忠于 您的伟大〇〇〇」(伟大のあとの三字は聞き取れなかった)とも。
日本語訳詞
☆概要
「红太阳照边疆」に続く朝鮮族の紅歌「延边人民热爱毛主席」を紹介する。だいたい朝鮮族の紅歌で群を抜いて有名なのはこの2つ。というか他の朝鮮族の紅歌を、私は聞いたことがない。当時を生きた中国人に「朝鮮族の革命歌曲知ってます?」と聞いてみても、パッと出てくるのはだいたいこの2曲。おそらく他にも存在しているのだろうけれども、この2曲が金曲すぎて影が薄くなっているということか。
作詞作曲の二人は「红太阳照边疆」と全く同じコンビ。各々の経歴は「红太阳照边疆」の記事内で解説してあるので、詳細はそちらをみてほしい。
「红太阳照边疆」がテピョンソの似合う曲調だとしたら、こちらは伽耶琴が似合う情を込めたような曲調であるといえる。ただの愛ではなく「熱愛」なのがポイントで、「哎……毛主席,我们无限热爱您」という歌詞などは切々と領袖愛が伝わってくる。「红太阳照边疆」と比べるとテンポが早いが、その事によってより効果的に、いかに毛主席に感謝感激しているかがダダダッと早口で歌われる様子から伝わってくる。
日本語タイトルもそのまま「熱愛」としたが、やはり違和感があるよねっていう感じ。日本語で熱愛とくっつくのはだいたい「発覚」で、「誰々を熱愛してる」とはなかなか言わないものだ。しかしながら、延辺の人民は毛主席をただ愛しているのではない、熱愛しているのだ!という思い止みがたく、結局熱愛にした。同じ漢字文化圏なので、そのままでも意が通じることも多いけれど、今回の「熱愛」のように同じ単語はあるけどニュアンスが違うという存在は困りもの。「愛人」とかもそうだ。初めて中国語を学んだときに大層びっくりした思い出がある。でもそれだからこそ面白いと思っていて、たとえば「毛主席の愛人は江青です」なんかダブルミーニングのような感じで洒落た表現ではないか。
今回は似たような経験をした。それは日本語訳に当たって、「颗颗红心向着党」の日本語訳をするときで、红心は「プロレタリアートの心」のこと。しかし日本語では「紅心」という表現がないので「赤心」と表現せざるを得なくなる。「赤心」はまごころ、一途な心といったような意味。したがって「プロレタリアートの心」という意が含まれていないものになってしまうのだが、考えてみれば日本語で共産主義、あるいは共産主義者を「アカ」などと云うではないか。そして党に向く心が邪な心であるはずもないのだから、まごころや一途な心と呼称しても良いはずである。だから「赤心」という語でどちらも表現することができるのだ。尤も、辞書を引いたとしても「赤心……共産主義者の心」などとは出てこないから、私が勝手にそう主張しているだけだけどね。
歌詞の解説をしておくと、长白は長白山のことで、中朝国境の山岳である。おそらく白頭山といったほうが通じるだろうか。海兰江は朝鮮族自治区を流れる海蘭河のこと。「海兰脚踏(Hailanjiaota)」としているものもあるが、「海兰江畔(Hailanjiangpan)」が正しいだろう。
古い音源だと「延边人民纵情歌唱 我们心中的红太阳」は「延边人民无限忠于 您的伟大〇〇○」と歌われる。音質が悪いため後半部分が聴き取れなかった。「shi○jiang」と聞こえるが主席の偉大な何、なのだろう。その音源が収録されていたCDの歌詞カードには「您的伟大思想」と記載されているがゼッタイ違うと思う……
朝鮮語版歌詞を探したが見つからなかったので掲載できなかった。歌詞は見つからなかったが、朝鮮語で歌われる音源は存在するので、見つけたらぜひ鑑賞してみてほしい。
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