送双草鞋表心怀(草鞋を贈って迎える知識青年)

2020/09/20

1960年代 1970年代 紅歌

中国語歌詞

送双草鞋表心怀
词:胡细生 曲:刘雁
 井冈山青松一排排呀
杜鹃花儿满山开啊
知识青年插队落户到井冈山哎
贫下中农送双草鞋表心怀
当年红军穿草鞋 高举红旗进山来
五百里井冈摆战场 黄洋界凯歌震天外
红军战士穿上金草鞋 在革命路上大步迈 在革命路上大步迈
井冈山青松一排排呀
杜鹃花儿满山开啊
知识青年插队落户到井冈山哎 贫下中农送双草鞋表心怀
革命传统代代传 红军路上走来新一代 走来新一代罗!
 
 井冈山青松一排排呀
杜鹃花儿满山开啊
知识青年插队落户到井冈山哎
贫下中农送双草鞋表心怀
知识青年穿草鞋 艰苦奋斗学大寨
革命摇篮把根扎 阳光沐浴长成才
新社员穿上金草鞋 把革命传统接过来 把革命传统接过来
井冈山青松一排排呀
杜鹃花儿满山开啊
知识青年插队落户到井冈山哎
贫下中农送双草鞋表心怀 送双草鞋表心怀
革命传统代代传 红军路上走来新一代 走来新一代罗!

日本語訳詞

草鞋を贈って迎える知識青年
作詞:胡細生 作曲:劉雁
マツの木は青々と ツツジの花は満山に咲く井崗山に
知識青年たちがやってきた 貧下中農が草鞋を贈って迎えるよ
かつての紅軍は草鞋を履いて赤旗かかげ 井崗山に進軍してきた
五百里を駆け戦い はるかこだました黄洋界の凱歌
紅軍の戦士 金色の草鞋を履き
歩んでいった革命の大道 歩んでいった革命の大道
マツの木は青々と ツツジの花は満山に咲く井崗山に
知識青年たちがやってきた 貧下中農が草鞋を贈って迎えるよ
革命の伝統を 受け継いで進む紅軍の征途に
新たな世代が加わった新たな世代が加わった! 

マツの木は青々と ツツジの花は満山に咲く井崗山に
知識青年たちがやってきた 貧下中農が草鞋を贈って迎えるよ
知識青年も草鞋を履いて 艱苦奮闘大寨に学ぶ
革命の揺籃は根を下ろし 陽光浴びて大きく育つ
新社員 草鞋を履いて
革命の伝統を受け継ぎ進んでゆく 受け継ぎ進んでゆく
マツの木は青々と ツツジの花は満山に咲く井崗山に
知識青年たちがやってきた 貧下中農が草鞋を贈って迎えるよ
革命の伝統を 受け継いで進む紅軍の征途に
新たな世代が加わった新たな世代が加わった!


☆概要
知識青年(知青)をテーマとした歌曲。当時この類の「知青歌曲」とでも呼べるような音楽が多数作られた。この歌もその一つで、他には「到农村去,到边疆去」や「我是贫农的好后代」、「南京知青之歌」などがある。きっと、当時下放されたおじさんおばさん達はこういった曲を聴くと郷愁を呼び起こされるのだろう。そんな知識青年というある種特異な存在を代表する歌曲なのだが、いずれもほとんど情報がなく、歌詞すら出てこないことなんてザラにある。そんな中、この歌の作詞作曲まで分かったのは幸運というほかない。ただし、全くあっていない情報かもしれず、本当に胡さんと劉さんが作ったのかは確かめようがないけれど。 そして創作年度までは分からなかった。内容からして1960年代後半から1976年までの期間だと思う。

やはりと言うべきか、この歌の題材も井崗山。そこはなぜか知識青年たちに人気のスポットで、延安よりも人気な気がする。パッと思いつく限りでも文革初期に「井崗山兵団」という名前の紅衛兵組織があった。国民党反動派に囲まれつつ戦ったという戦闘的な背景が武闘上等の紅衛兵や知識青年に好まれたのだろうか。
 
そして井崗山をテーマとするときに外せないのが「ツツジ」と「草鞋」だ。この歌でもしっかりと抑えている。井崗山一帯をテーマにした模範劇の名はそのまま「杜鹃山」だし、音楽劇「東方紅」で上演された「双双草鞋送红军」は井崗山に住んでいる婦女が紅軍に草鞋を送るという内容の歌である。それ以外に観光資源?がなかったのだろうか。

曲調はいかにもな紅歌で、歌詞もありがちなもの。個人的には「当~年红军~穿草鞋」以降の部分がこぶしを利かせて歌えるので好き。あと、かつての紅軍が草鞋を履いて歩んだ道を、今は知青が進んでゆくという王道ストーリーも良い。
 
歌詞に出てくるワードを解説すると、「黄洋界」は井崗山の中腹にある一帯を指す。ここで防衛戦が行われ、毛主席がそれを紀念して「西江月·井冈山」という詞をお書きになっている。なんのことはない「へぇ~」という事実なのだが、私が気になっているのは「界」という字の読みだ。「そんなのjieに決まってるだろ」と思っていたが、歌われる時は決まって「gai」と発音しているように聞こえる。しかしながら、管見では界に「gai」という読み方は無いとのこと。一体何と言っているんだ。ちなみにGoogleMapで調べると「黄洋界」は「Huangyangjie」である。私の耳がおかしいのか……?

「插队落户」というのは知識青年たちが公社に入ることを指す単語。「生産隊に入隊して、その地に住む」という意味である。残念ながら日本語に該当する表現がないので「やってきた」という表現でごまかしている。
 
上記と関連する単語で「新社員」というのが出てくるが、日本語の文意とは大きく異なる。別に4月になって新卒が井崗山公社に入社したわけではなく、中国語の「公社」はコミューンという意味なので、新しいメンバーがコミューンに来たよ!というような意味。 この歌は、その新しいメンバーに草鞋を渡して「よろしくね!」というようなめでたい場面を歌っている歌曲である。「插队落户」したときにどんな支給品が貰えるのかはわからないけれど、いきなり草鞋を渡されて「じゃあ今から農作業だから」とか言われたらそれはブラック公社ではないのか。
 
ちなみにこの曲が収録された「知青老歌专辑」というのがアマゾンで購入できるので興味のある方は調べてみてほしい。 
 

☆動画
なぜかサムネイルが包子。すごく音質がいい。言って良いのかわからないが、アマゾンで売っているのと全く同じ音源で、しかも公式アップロードっぽい。売る気あんのか?