中国語歌詞
日本語訳詞
☆概要
全世界人民の心の真紅の太陽、全世界無産階級の偉大な領袖であらせられる毛沢東主席の誕生127周年記念企画その1。本当は「東方紅」でも翻訳してアップロードできればいいのだが、あいにくこのサイトを開設して一番最初に訳してしまった。素知らぬ顔してしれっと再び上げるというのもチャイナ感があって良いが、今日は「東方紅」のパチモ……もといオマージュ作品である「东方又红」を日本語訳しよう。
歌詞を見ていただければすぐに誰を讃えているのか分かるが、これを以て「習近平はやはり毛沢東を模倣している!」とするのは早計というものであろう。なぜなら、この歌は党の指導に従って創られた歌ではなく、匿名者によってインターネットにアップロードされたものであるから、というのが一つ目の理由。もう一つは、どうも「高級黒」認定されているということだ。それは表面上は賛辞を送りつつも、その実、風刺や皮肉の意図を込めたものをいう。この歌で言えば、表向きはかつての偉大な指導者に習主席を重ねて讃えているものの、実際は「習主席が、文化大革命という惨禍(私の考えじゃないよ!)をもたらしたかつての指導者と同じような個人独裁の道を歩んでいる」という意図があると思われたのだろう。
ただ、私にはこれが高級黒であるとは思えない。もしそうであるならば、もうちょっとウィットに富んだ言い回しであるとか、綿中に針を蔵しているような鋭さがあるはずだが、本曲は割と手放しで褒めてはいまいか。それにこれの初出音源は合唱だが、一時の戯れのために多人数を動員するとも思えないし、反党的な匂いを感じて人が集まらないはずである。こういった点から考えると、この歌はどっかの誰かさんが習近平を本心から讃えようと制作したが、あまりにも「やりすぎ」かつ文革を彷彿とさせるものであったために当局によって葬られたものなのかもしれない。
さて、曲の内容だが原曲である「東方紅」と全く同じであるから特に述べることはない。「相変わらずよろしいメロデーあるね~」と思うくらいである。
歌詞もほとんど一緒であまり面白みがないが、「东方又红 太阳重升」などは深堀りしてみると面白い。だって毛主席以降にたくさん指導者が居たが、習近平が毛沢東を継承してから「东方又红 太阳重升」というのだ。ってことは習近平以外の御代は東方が紅くなかったのか。太陽は沈んでいたのか。そう考えると歴代指導者に失礼な曲だ。別に狙ってやってるわけじゃないと思うが……
あとは目を引くワードがちらほら。 「民族复兴」、「中国梦」なんかは習主席っぽい単語だ。「穿云破雾」なんていう成語はなかなか見ないが、ここ最近、各メディアでぼちぼち取り上げられているのを見るに、やはり習主席系のそれであろう。
個人的に一番おもしろかったのは「大福星」という語。いや、たしかに主席は福々しいが、その単語はどうなのか。多くのチャイナウォッチャーにとって思い起こされるのは、あの中だるみがヒドい洪金宝(サモ・ハン)さんの映画だろう。あの映画の主題歌はいいね。原語版も日本語版も両方とも。
最後に作詞者について述べよう。「任民」となっているが、「人民」のことだろう。だが、だとしたらなぜそう表記しなかったのかが気になる。まさか「民に任せよ」的な含意があるのか。もしそんな「民主少一点」的なアレだとすれば、やはりこれは高級黒かもしれない。
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