红星歌 | 紅い星きらきら

2020/12/08

1970年代 紅歌

中国語歌詞

红星歌
词:邬大为、魏宝贵 曲:傅庚辰 1974年
红星闪闪放光彩
红星灿灿暖胸怀
红星是咱工农的心 党的光辉照万代
红星是咱工农的心 党的光辉照万代
长夜里红星闪闪驱黑暗
寒冬里红星闪闪迎春来
斗争中红星闪闪指方向
征途上红星闪闪把路开
红星闪闪放光彩
红星灿灿暖胸怀
跟着毛主席跟着党 闪闪的红星传万代
跟着毛主席跟着党 闪闪的红星传万代

日本語訳詞

紅い星きらきら
作詞:鄔大、魏宝 曲:傅庚辰 1974年
紅い星きらきら 輝いて
紅い星さんさんと 心をあたためる
紅い星はぼくら労農の心 党の光はずっと輝いて
紅い星はぼくら労農の心 党の光はずっと輝いて
長い夜 紅い星きらめき暗闇追いはらう
寒い冬 紅い星きらめき春がくる
闘いの中 紅い星きらめき導いてくれる
ぼくらの行く手に 紅い星きらめき道ひらく
紅い星きらきら 輝いて
紅い星さんさんと心をあたためる
 毛主席と党に従って 紅い星を永遠に受け継いでいこう
 毛主席と党に従って 紅い星を永遠に受け継いでいこう


☆概要

紅歌は紅歌でも、紅小兵向けの紅色童謡とでもいうべき「红星歌」を日本語訳。もとは映画『闪闪的红星』の主題曲だが、曲単体でも有名な作品、いやむしろ映画の方は地主に高帽子被せて引きずり回す過激で敏感なものだから現代では受け入れられづらく、よって曲のほうが有名である。

 

红星と来れば一般的には共産主義を連想させるけれども、毛主席ファンにとってはそれに加えて『中国の赤い星』を彷彿とさせる。あの本は中国語タイトルも『红星照耀中国』となっているから、この歌も毛主席をモチーフにしたのかな、とも思ったが、普通に毛主席という言葉が红星と絡められることなく出てきているから違うんだろう。なんか肩透かしを食らったような気分だ。

 

曲調はというと行進曲調で勇ましい感じのする模範的中華紅色童謡であると言えよう。加えて、それの一本調子ではなく「长夜里~」から雰囲気を変えて低くしっとりとした曲調にすることで曲全体にメリハリをもたらしているし、その事によって「紅い星がきらめいて解放され、進むべき道をも示してくれた」という情景に体温が感じられる名曲だと感じる。しかし、わたくしが持っている音源の中には転調すパートをバッサリ削ったものがあるが、これはいただけない。そこがあるから全体が引き締まるのであって、ただ「たのしいパート」だけであったらノーテンキな童謡に堕してしまう。紅い星だけじゃなく刻苦奮闘した中国人民の党への感謝、解放の渇望といった経験をも受け継ぐために削らないでください。

 

さて、「紅い星きらきら」 という幾分軟派とも取れるタイトルと和訳について述べるとしよう。本当は「紅星之歌」とかのお硬いタイトルにしたいという気分もあるにはあるが、これはあくまで童謡である。だから柔らかい表現のほうが良いかと思い、あれこれ考えた末に『よいこの文化大革命―紅小兵の世界』という書籍に「赤い星きらきら」という訳があったことを思い出したので、ありがたくパク……もといオマージュさせていただいた次第。

 

こういう童謡は何度か和訳しているけれども、そのたびに青天の霹靂のような漢語の襲撃にくらくらするようだ。紅い星さんさんと心を暖める~なんていうのは児童にも分かる表現であろうが、「労農の心」なんていうのはわかるまい。かといって「サラリーマンとお百姓さんの心」にするわけにはいかないのでそのままとしたが、これでは童謡失格であろう。だが、これはこれで中国の童謡がもつ色というか、プロパガンダのリアルが見えていいのかもしれないね、とお茶を濁しておく。


歌詞でもう一つ気になったのは「党的光辉照万代」という取って付けたようなパート。ここまでは紅い星が輝いていたのに、どうして急に党が輝き出すの?労農の心=紅い星、紅い星=きらきら、中国共産党=労農の政党、中国共産党=きらきらという複雑な過程を踏んでいるのであれば、この歌詞では説明不足すぎないか。それとも労農の心を党が照らしているの?


この曲は現代でも少年先鋒隊の同志たちがよく歌っている。「毛主席」という神聖三文字が歌い継がれることが少なくなったことを考えるとたいへん貴重な歌である。ぜひとも歌い継がれていってほしいし、毛主席が敏感詞としてダメになったら習主席に変えて続いてほしい一曲だ。

 

☆動画

いかにもしっかりと教育を受けている富裕層の子女といった感じの子どもたちが「咱工农的心~」と歌い上げる心がチグハグになる動画。