大海啊故乡 | 海よ、我がふるさと

2020/11/30

1980年代

中国語歌詞

大海啊故乡
词曲:王立平 1982年
小时候妈妈对我讲 大海就是我故乡
海边出生 海里成长
大海 啊大海 是我生活的地方
海风吹 海浪涌 随我飘流四方
大海 啊大海 就像妈妈一样
走遍天涯海角 总在我的身旁
 
小时候妈妈对我讲 大海就是我故乡
海边出生 海里成长
大海 啊大海 是我生活的地方
海风吹 海浪涌 随我飘流四方
大海 啊大海 就像妈妈一样
走遍天涯海角 总在我的身旁
大海 啊大海 就像妈妈一样
走遍天涯海角 总在我的身旁
※「是我生活的地方」は「是我生长的地方」とも歌われる。

日本語訳詞

海よ、我がふるさと
作詞作曲:王立平 1982年
小さいころ 母が教えてくれた 海はわたしのふるさと
海で生まれて 海で育ったの
海よ あゝ海よ わたしの生きるところ
風は立ち 波起きて わたしと一緒に広がってゆく
 海よ あゝ海よ まるで母のように
どこまで遠くに行ったって いつもそばにいてくれる

小さいころ 母が教えてくれた 海はわたしのふるさと
海で生まれて 海で育ったの
海よ あゝ海よ わたしの生きるところ
風は立ち 波起きて わたしと一緒に広がってゆく
 海よ あゝ海よ まるで母のように
どこまで遠くに行ったって いつもそばにいてくれる
 海よ あゝ海よ まるで母のように
どこまで遠くに行ったって いつもそばにいてくれる


☆概要

今回翻訳したのは映画『大海在呼唤』の主題歌。1980年代に大ヒットした映画で、この時代を過ごした中国人の大半は知っている。「中国語の歌、歌えるよ~」とか言って「社会主义好~社会主义好~♪」とやるとゼッタイ、形容しがたい面持ちになって気まずくなってしまうのでこれを歌うようにしている。政治思想がなく、きれいな歌なので、紅歌と比べれば抜群の食いつきを誇るコミュニケーションツールのような歌。

 

映画の方は見てないので知らない。パッケージには海軍の白い制服を着た御仁が写っているし、主題歌のタイトルがこれなので十中八九、海に関する映画でしょうという粗い推測しか出来ない。 いちおう、女声で歌われているので女性視点で語っているような歌詞にしたが、パッケージに写る人をイメージして創られた曲だとしたら、ゴリゴリのおっさんが「海で生まれて 海で育ったの♥」と言ってることになり、だいぶオカシクなる。まず映画を見てから翻訳したほうがいいね。

 

文革期の歌にどっぷり浸かっていると、こういった郷愁を感じさせ、かつ暖かな歌詞が沁みる。どこまでも広く続く大海原と晴れ渡った空が思い浮かび、潮風のにほひが感じられる……と言えれば良いのだけど、わたくしはどちらかといえば「山よ、我がふるさと」派なので今ひとつイメージが浮かばない。そんな分からず屋にも伸びやかなメロディにのせて伝わる「大~海啊、大~海♪」の美麗さはしっかりと伝わるので正統派名曲と言えるだろう。

 

わたくしは紅衛兵なので、「大海」と来れば「航行靠舵手」しかない。子曰、知之為知之、不知為不知。是知也……よく知らない歌を得意げに長文で解説してボロが出るといけないので、解説は以上としておこう。

 

そんなよく知らぬ歌を日本語訳しようと思ったのは、別にこの歌が好きとか、誰かに頼まれたとかではなく、大学時代の恩師の愛唱歌だったことを思い出したから。その同志とは一緒に紅歌を歌って大盛りあがりしたものだが、歌い終わると決まって「政治的な要素がない曲のほうがいいね」と反省したような顔をしながら仰っていた。いや、二人で楽しくオン・ステージしたじゃないの!と思ったが、文革を経験していることもあり、紅歌に対しては複雑な感情が巻き起こるのだろう。だから政治的でなく、透き通ったメロディを持つ本曲は二人で歌って楽しむにはぴったりだった。そんな故事を寒風吹きすさぶなか、ふと思い出したので、日本語訳したうえでわが老师に捧げるものである。そしてもちろん、ここを見てくださっている皆様にも。


☆動画