我们是年青的一代 | 年若いわれら

2020/11/29

1960年代 紅歌

中国語歌詞

我们是年青的一代
词:陈耘、徐景贤 曲:萧珩 1965年
 我们是年青的一代
是社会主义建设的尖兵
为了创造美好的未来
把青春献给革命
我们不做温室的花朵
要做暴风雨中的松柏
敢于斗争 敢于胜利
沿着党所指引的方向
奔向光辉灿烂的前程

我们是年青的一代
是社会主义革命的接班人
继承先辈光荣的传统
把一生交给人民
我们要做彻底的革命派
站在革命风暴的前沿
永远革命 永不变质
为了世界人民的幸福
为了共产主义英勇斗争
※「年青」は「年轻」と書かれることもあるが、映画のタイトルと合わなくなるので「年青」が正しいと思われる。

日本語訳詞

年若いわれら
作詞:耘、徐景 曲:珩 1965年
年若いわれらは社会主義建設の尖兵
美しいあしたを創る為 青春を革命に捧げよう
我らの理想は温室育ちの花でなく
暴風雨に屹立する松
敢然と闘い 敢然と勝利するために
党の導きに従って
光り輝く前途へと走ってゆこう

年若いわれらは社会主義革命の後継者
先烈の光栄ある伝統受け継いで
一生を人民に捧げよう
我ら徹底的な革命派として
革命の嵐吹き荒ぶ前線に立たん
永遠に革命つづけ 永久に変質せず
世界人民の幸福と共産主義のために勇躍して闘おう


☆概要

映画『年青的一代』の登場曲。映画タイトルと平仄合わせているから主題歌かな~と思うのだが、もう一つの登場曲「勘探队员之歌」のほうが有名で、百度百科にはそっちが主題歌と書かれている。こんなに素敵な曲なのに地質学の野暮ったい歌に負けてて不憫なり。

 

映画『年青的一代』の方は見たことがないのでよく知らないが、なんか地質調査隊のお話のようだ。ここまで興味を惹かれない題材も珍しいが、白黒からカラーにリメイクされているので割と人気なのかもしれない。地質調査隊といえば『サンザシの樹の下で』を思い出すが、中国人にとって地質調査はそんなに魅力的な分野なのか。

 

映画の中で本曲が流れるのは主人公的な人が先輩的なヤツに「オマエは党を騙したのだ……」と怒られるシーン。映画を通してみたわけではないので前後がわからないが、流れる状況が分からなすぎて面白い。 


さて、上記のような経緯からマイナー曲であることは間違い無いのだけれど、わたくし個人としては非常に好きな曲で、それは歌詞がとても良いから。「我们不做温室的花朵,要做暴风雨中的松柏」(おそらく雷鋒同志の言葉を基にしたもの)など座右の銘にしたいくらいだ。この映画が出た頃の青年たちは配給されたマッッズい小米(粟)を大事に食べて育った。80後が小米なんか配られたら捨ててるだろう。そして今の青年たちが小米と聞かば、思い浮かぶのはスマホメーカーのほうが先でしょうね。そんな階級斗争の苦しみを知らぬ者たちには「我们不做温室的花朵……」を拳拳服膺していただきたいものだ。


閑話休題。他にも真っ直ぐな歌詞にとても好感が持てる。「把青春献给革命」、「把一生交给人民」など社会主義青年たちの心意気を表しているようで感動するし、「为了世界人民的幸福」と大風呂敷を広げちゃうところも青さが感じられて良い。また、「敢于斗争,敢于胜利」という『毛主席語録』愛読者にとってはピンとくるワードセンスも光っている。

 

メロディーも「我们不做温室的……」のあたりでは低く抑えて敢然たる決意を示すさまを際立て、最後の方では明るく開放的に輝く未来と、若者の気概を上手く醸し出している。特別、耳に残るメロディーでもないし、独創的なものでもないが、歌詞も曲もとても上手くまとまっているといえる。極端好きな中国人にあって、こういう「80点」のような歌は珍しい印象がある。別にけなしているわけではなく、わたくしとしては安定していて大好きな歌であることに変わりはない。だからこそ「勘探队员之歌」というゆったりしていて、格調高いような、本曲とまったく方向性が違う歌の方ばかりが取り上げられるのは残念極まりない。

 

一つ解説をしておくと、この歌に出てくる「松」は中国的に好ましい植物である。日本でも「松竹梅」なんていうが、それは冬でも青々としているものを指している。そこから転じて「変質しない」とか「精気みなぎる」のような意味を持つようになった。だから雷鋒同志のような若い共産主義戦士が描かれているポスターにはだいたい松の木がセットになっている。この歌も雷鋒同志のイメージにぴったりな歌だ。同志の言葉を敷衍したと思しき歌詞もあるため、作詞者が雷鋒同志に影響を受けた可能性が高いだろう。ちなみに、「松柏」は日本語でも通じるし、「マツとカシワ」としてもいいのだが、前者は馴染みがないし、後者は長ったらしいので単純に「松」とした。


☆動画