革命不是请客吃饭 | 革命は客を招いてごちそうをすることではない

2021/05/24

1960年代 語録歌 紅歌

中国語歌詞

革命不是请客吃饭
词:毛主席 曲:李劫夫 1966年
革命不是请客吃饭,不是做文章,不是绘画绣花,不能那样雅致,那样从容不迫,文质彬彬,那样温良恭俭让。革命是暴动,是一个阶级推翻一个阶级的暴烈的行动。

日本語訳詞

革命は客を招いてごちそうをすることではない
作詞:毛主席 作曲:李劫夫 1966年
革命は、客をごちそうに招くことでもなければ、文章をねったり、絵をかいたり、刺しゅうをしたりすることでもない。そんなにお上品で、おっとりした、みやびやかな、そんなにおだやかでおとなしく、うやうやしく、つつましく、ひかえ目のものではない。革命は暴動であり、一つの階級が他の階級をうち倒す激烈な行動である。
『毛主席語録』外文出版社,1971年より引用。

☆概要

毛主席のお言葉にかんたんな旋律をつけるだけで紅衛兵にウケたというエコ文明建設のさきがけ的ジャンルこと語録歌、 今日はその中でも問題作を紹介しよう。


その名も「革命不是请客吃饭」。これは中国語がわからない人でもなんとなくニュアンスをつかめんじゃないかな。「革命っつうのはメシを奢ることじゃねぇ!」という意味だが、革命の前衛と自認する共産党及び毛主席がそんな平易かつちょっと乱暴な見解を示したというのはなかなか大衆扇動の妙味が詰まっているとは思わないか。


ソ連邦共産党でも日本共産党でも革マル派でもなんでもよろしいが、彼らに「革命ってなんですか」と聞かば「革命とはァー!カクカクシカジカァー!上部構造を打ち倒すのである!」などと帰りこむ。どう打ち倒すのか、そもそも打ち倒そうとしてるかは詳らかに知らぬから彼らに聞いてみて下さい。


多くの人民は果たしてそんな難解なエンゼツやリロンを理解できるだろうか。庶民代表の張三李四、八っつぁん熊さんたちは上部構造と聞けばビルの上層階を打ち壊しそうだ。深淵かつ遠大な共産主義理論は素晴らしいが、我々庶民にとっては預言者が必要なのだ。


その点、毛主席は完璧に預言者の役を果たしたと言えるだろう。毛主席、革命ってなんですか。「革命は暴動です。あなた方がブルジョワを打ち倒すことです」……なるほど!分かりました!

 

事程左様に革命という大事のエッセンスをハッキリと分かる形で示してくれるわかりやすいこの文は、直球しか投げられない単純明快なジャンルである語録歌と相性がよいと言えるだろう。


だが、ヒットしましためでたしめでたしとは行かぬのが文化大革命のご時世。1966年8月に発表されたこの歌は、暴れるための大義名分を欲していた紅衛兵たちに熱烈歓迎された。大規模な暴行、強盗、秩序の破壊が行われた一因はこの歌にあるとも言える。これが語録歌界の問題作たる所以である。


内容と歌詞は過激であるけれども、曲調は初期に発表された語録歌の中でも屈指の実力を誇る。まず最初に「革~命♪」 とタメてこれから何について歌うのか教えてくれるのがカワイイ。その後も「雅致」、「不迫」、「彬彬」などのところでチャンチャン♪と二拍鳴るのが非常に牧歌的で良い。そして本曲の肝、革命とは何かを述べるパートに至れば音は高めに、ことばは早口になるのが陳腐だけどもやはりシブい演出だね。

 

かなり完成度が高くて個人的にはお気に入りの語録歌だ。語録歌の歌詞(=語録)が曲調に及ぼす影響はそこいらのポップソングの比ではない。いくら李劫夫と云えども、語録がノリづらいものだったら実力は発揮できない。そういう意味ではやはり、この語録と語録歌というジャンル、そしてその名手にして開闢者たる李劫夫の三合一が有効に機能したからであろう。制作期間の短さに起因するのか、そういった連関が見られる語録歌のほうが少ないことも、この歌の名曲性を高めている。

 

歌詞について?至言箴言玉言に決まっている。没有意见です。毛主席の一言は我々の一万言にも勝ります。理解できれば実行するべきだし、理解できなくても実行しなければなりません。

 

☆動画