毛主席啊,我们永远忠于您 | 毛主席、我らとこしえに忠実です

2021/05/31

1960年代 1970年代 紅歌

中国語歌詞

毛主席啊,我们永远忠于您
词:洪源、刘薇、石祥 曲:唐诃、生茂
 毛主席啊您是灿烂的太阳 我们像葵花
在您的阳光下幸福地开放
您是光辉的北斗 我们是群星
紧紧地围绕在您的身旁
您的思想是春天是雨露 我们在您的哺育下 茁壮地成长
您亲手点燃的 文化大革命的烈火 把我们百炼成钢

毛主席啊
天上的群星啊永远朝北斗
地上的葵花呀永远向太阳
我们千遍欢呼万遍歌唱
祝福毛主席万寿无疆
※現代版だと「您亲手点燃的 文化大革命的烈火 把我们百炼成钢」が「您是各族人民心中的红太阳 把我们心儿照亮」に、「祝福毛主席万寿无疆」が「您的伟大思想永放光芒」と改変されている。

日本語訳詞

毛主席、我らとこしえに忠実です
作詞:洪源、劉薇、石祥 作曲:唐訶、生茂
ああ毛主席 光り輝く太陽よ! 我らヒマワリのように
その陽光のもとで咲き誇ります
主席が輝く北斗なら我らは星々
ずっとおそばによりそい続けます
主席の思想は春の慈雨 浴びて我らは伸び育ち
主席のおこした文革の烈火は鍛えて我らを鉄にする!
 
毛主席よ
天の星は永久に北斗を仰ぎ
地の花は永遠に太陽を戴く
幾千と歓呼し幾万と歌い讃えます
毛主席の万寿無疆たらんことを!


☆概要

毛主席が出てくるどころでない、毛主席が主役なのだ!な本流の紅歌はやっぱりいいですねぇ~。そのキツすぎる政治的香りのせいからか、現代には歌い継がれてはいないようだが、金曲であることに間違いはない。しっかりと練り上げられたことが伝わる美しい旋律、「あれ、アタシのこと言ってるの?」勘違いするほどの共感できる歌詞などに文革中国の本気を久々に見た気分だ。最近は文革後期のおてがるソングや語録歌などの別の意味で中国らしい歌曲ばかり訳して究めて公開していた身にとってこの曲はまさに春の慈雨。


この曲が売れるべくして生まれたのは作詞作曲の御歴々を見ればわかる。一般人にとっては誰こいつであろうが、紅歌ファンならばピンとくるはずだ。そもそも紅歌はあまり作詞一人、作曲一人という構成が多くない。どちらかというと集団制作が多かったのだが、その集団の中にこの5人のうちの誰かが入っていることなんて当たり前、多いときはこういうふうに5人がかりで創作していることもある。このグループのうちの誰かが参加した歌曲で有名なのは、パッと思いつく限りでは「贫下中农最爱毛主席(洪源、石祥、刘薇、唐诃 )」や「学习雷锋好榜样(洪源、生茂)」、「真是乐死人(生茂)」などなど多岐にわたる。ね、大御所でしょ。

 

創作年は不明だが、初期から中期にかけての作品といった趣きがある。歌に精気が満ちているね!これが後期になるとちょい雑になるからここまでの「心から忠誠を誓っています!」感は出せないと思うのだが。 


最初っからアクセル全開の紅衛兵的歌曲も好きだが、こういう大器晩成型の歌曲も味わい深い。冒頭から「~紧紧地围绕在您的身旁」まではゆったりとした曲調で、毛主席に向けられた賛辞を切々たるものに昇華させている。とはいえ、その賛辞が少し過剰気味だから自然な表現ではない。お追従という単語の模範例のようなべた褒めである。

 

「您的思想是春天是雨露 我们在您的哺育下 茁壮地成长」のところからは曲調が一転し、かなり厳粛さが出てくるのが面白い。そして「您亲手点燃的 文化大革命的烈火 把我们百炼成钢」というサビの部分に突入するわけだが、ここの旋律は感情が乗りに乗ってて非常好。ただそれだけでは勘弁してもらえず、そのまま「毛主席啊 天上的群星啊永远朝北斗~」と更に早口のパートにジェットコースターのように移動していくのがたまらない。しっとりした曲調を楽しんだと思えば、かの名曲「丰收歌」を彷彿とさせるような爆速テンポになったりと緩急が目立ち、そこに過剰なまでの賛辞がさらなる中華あじを加えることによってうまくマッチしている。躁状態みたいな曲。

 

歌詞は毛主席を太陽にしたり北斗星にしたりと過剰に褒めるいつものやつ。この曲に限らず、主席を太陽や北斗星に例えるのは一種のお約束であった。しかし「主席は北斗星!我ら星々は永遠にお側に寄り添います!」なんていう表現はクサすぎる。我らのような骨まで真っ紅な紅衛兵ならともかく、にわか毛主席ファンにとってははずかしかったんじゃないかな。

 

一番心に染み入る歌詞はやはり「您亲手点燃的 文化大革命的烈火 把我们百炼成钢」 というもの。文革の顛末と後始末のゴタゴタっぷりを調べて学んできた身からすると「您亲手点燃的文化大革命烈火」という表現には若干のアイロニカルなものを感ぜずにはいられない。だがこの時代のこの歌では、100%の褒め言葉として用いているのだ。このときは革命だったが、いつしか災厄となると「亲手点燃的」というのは非難めいて聴こえる、それは中国人も理解していたようで、現代版では「您是各族人民心中的红太阳 把我们心儿照亮」という当たり障りない表現まで和諧された。

 

文革中にこの歌を歌いながら烈火で鋼まで鍛え上げられたはずの毛主席ファンたちは、まだ「とこしえに忠実」なのかな、などと考えるとしんみりしてしまう。


☆動画