东北抗日联军第一路军军歌 | 東北抗日聯軍第一路軍軍歌

2021/05/12

1930年代 軍歌

中国語歌詞

东北抗日联军第一路军军歌
词:杨靖宇 曲:韩仁和 1938年
 我们是东北抗日联合军 创造出联合军的第一路军
乒乓的冲锋杀敌缴械声 那就是革命胜利的铁证
 
正确的革命信条要遵守 官长和士兵待遇都要平等
铁般的军纪风纪都要服从 锻炼成无敌的革命铁军
 
一切的抗日民众快奋起 中韩人民团结紧
夺回来丢失的我国土 结束牛马亡国奴的生活
 
英雄的同胞们前进哪 打出去日本强盗 推翻满洲国
这一次民族革命战争 完成了弱小民族解放运动
 
高悬在我们的天空中 普照着胜利军旗的红光
冲锋呀 我们的第一路军! 冲锋呀 我们的第一路军!

日本語訳詞

東北抗日聯軍第一路軍軍歌
作詞:楊靖宇 作曲:韓仁和 1938年
我らは東北抗日聯合軍より生まれたる聯合軍の第一路軍
雷鳴のごとく轟く砲声と敵を滅する吶喊こそ革命勝利の証なれ
 
正確な革命の信条は守らねばならぬ 将と兵の待遇は差別せず
金科玉条たる軍紀 風紀を徹底し 無敵なる鉄の革命軍に鍛え上げん
 
全ての抗日民衆よ!いざ立ち上がれ 中韓人民の固い団結以て
奪われし我が国土取り戻し 搾取に耐える亡国の日々に幕を下ろせ

勇敢なる同胞たち!前へ! 日帝の強盗追い払い 満州国を打ち倒すのだ
この民族革命の聖戦は 弱小民族解放運動を完成させるものなり

我らの頭上に舞い踊り 勝利を遍く照らすは紅い軍旗の光芒ぞ
突撃せよ! 我らが第一路軍! 突撃せよ!我らが第一路軍!

☆概要

軍歌の金字塔と云えば八路軍と新四軍の軍歌。その影に隠れすぎてもはや息していないのがこの一路軍のテーマだ。そりゃあ長征と抗日を経て鍛えられた八路軍や、南方の泥と血にまみれた留守番に耐えた新四軍と比べてしまうと、どうしても東北でグダっていた一路軍のショボさが浮き彫りになる。

 

だが一路軍をスルーして知らないままでいるのはもったいない。死後解剖したらお腹の中に木の皮と草の根っこ、そして綿しか残っていなかったことであまりにも有名な"草根树皮"楊靖宇という烈士を抱えるのみならず、金策、崔庸健、李永鎬……などなど後の朝鮮スターたちも多数在籍していたという事実は見逃せない。そして極めつけはなんとなんと"民族の太陽・スリョンニム"こと金日成、"崔竜海のオヤジ"こと崔賢までが所属していたのだ。もちろん、"全世界人民の心の真紅の太陽"であらせられる偉大な毛主席と比べれば小物であるが、それでも大手プロダクションのような充実っぷりには驚かれることだろう。

 

さらに、第一路軍が起こした戦闘も触れないわけにはいかない。 そう、「普天堡の戦い」に……この事件自体はなんのことはないもの、匪賊みたいなヤツらがテロを起こして金品奪って放火してついでに人を殺した、というようなあらすじなのだが、DPRK-POPを切り開いた楽団が「普天堡」を楽団名に冠してしまったから、なんだか聖地みたいになった。中国の軍隊に所属する未来のスリョンニム、金日成が起こした事件が後に息子によって創られた楽団の名前になり、その音楽性が多くの人をシビレさせたというのは紅歌と朝鮮音楽を股にかけた立派な音楽史だと思うのだが。

 

一路軍は無名ではあるが、その歴史を丁寧に紐解くとかなり面白いことをわかっていただけただろうか。さて、まくらが長くなったが、いよいよ本題である「第一路軍軍歌」の解説に移ろう。上記のエピソードに負けないくらい魅力的な歌だ

 

まずのっけからチャンチャンチャン♪チャンチャンチャン↑↑↑テッテレレッテッテー♪という我々の求めている激チープサウンドが待ち構えている。軍歌にしては景気が良すぎる音楽だが、重厚・勇壮な感じは新四軍や八路軍の担当してくれているので没問題。むしろその二者があまり持っていなかった中国味を存分に発揮している意欲作と言えよう。

 

マジメに考察すれば、素朴で一直線のメロディは覚えやすく、歌いやすく、演奏もしやすいと三拍子揃った人民の音楽であり、多くの兵士や当地の人民に浸透することで、宣伝する・歌われるという歌本来の目的を果たしたように思われる。似たようなテイストでは三大纪律八项注意が思い浮かぶが、あちらも人口に膾炙して今も歌い継がれている名曲だ。

 

奇しくも、規律を奨励する歌詞が盛り込まれているところも三大纪律八项注意とソックリ。紅軍の本流たる八路軍や新四軍では音楽の助けもあって軍紀風紀は相当の改善を見ていたことは明らかだが、この歌があってどれだけ一路軍の風紀が改善したかはわからない。たぶん、あんまり匪賊と変わらなかったんじゃないか、とも思うが将たる楊靖宇が粗末なものしか食べていなかったことは「将と兵の待遇は差別せず」を確かに実行していた証左ではなかろうか。

 

詞的表現や遠大な理想そしてちょっとの三千丈などが盛り込まれた新四と八路の歌詞と比べると一路のものは、良く言えば体温を感じる、悪く言えば生活感が溢れすぎ。とりあえずデカイ数字を使い、とにかく大言壮語する「いつもの」に比べると寂しく感じるが、やはり東北の名を部隊名に冠しているだけあって東北人らしい朴訥さに溢れているといえよう。きらびやかな言葉を使っていないのも、むしろ真に迫る感じがあって好感触。革命は文章をねることではないからね。ただ「我们是东北抗日联合军 创造出联合军的第一路军~♪」の部分は歌い出しなのだからもう少しスルッとした文章にできなかったものか。

 

さきほど金日成さんに言及したが、彼が作曲したとされる、いわゆる「不朽の古典的名作」のうちの一つに「조국광복회10대강령가(祖国光復会十大綱領歌)」というものがある。それと本曲が私にはどうも似ているように感じられて仕方がない。祖国光復会十大綱領歌(1936年作とされる)と一路軍軍歌(1938年)はほとんど創作年度が同じであり、その時代のその地域に特有な作風と云うこともできるだろうが、一路軍軍歌の方も綱領を歌い上げるような歌詞であり、相当に似ていると思う。曲調は「言われれば似ていなくもないかなぁ……」レベルのものだが、ずっと聴いていると生き別れの兄弟みたいな感じを受ける。さて、真相はいかに。

 

どちらかがパクリなのか?、本当に金日成が作ったの?ということはわからないが、荒涼な東北の地から採った旋律にシャンタンみたいな中華あじを加えて油に放り込んだのが一路軍軍歌、オモニの味付けののちに漬け込んだのが十大綱領歌、どっちも同祖同根だよなー!ということにしておこう。両方いい曲だしね!

 

今回の翻訳にあたっては、主に『军歌飞扬90年--纪念中国人民解放军建军90周年音乐精品集』を参照した。ただし、「一切的抗日民众~」と「高悬在我们的~」の段落は記載されていなかったので、百度百科に記載のバージョンをもとにした。


ただし、2つの版本の間には細かな歌詞の異動がかなりある。今回は军歌飞扬のほうが作曲者が明記してあったり、概要が記載されていたりなどのなどの点で信頼性が高いと判断し、そちらを優先した。参考までに百度百科版も掲載しておこう。

 

☆動画

没有!


ビリビリなどにはアップされているが、あそこは最近日本から接続しづらいので紹介したくない。だから军歌飞扬に収録されていたものを貼っておこう。