中国語歌詞
日本語訳詞
☆概要
タオバオで購入した中国軍歌CD集に入っていた音源の音質が良かったから翻訳してみましたシリーズその2。その1は「强军战歌」。「假如战争今天爆发」のほうが好きだから先に翻訳してアップロードしようと思ったのだが、歌詞が難しすぎて後回しになってしまった。
この歌も「强军战歌」 と同じく2013年作だ。でもそっちと比べると今ひとつ人気がないように感じる。こんなにも良い曲なのに。
あくまで私は毛主席ラブの紅衛兵ゆえ、「强军战歌」記事のほうでもさんざっぱら述べたことだけど、現代中国軍歌は好きではない。しかしこの曲は数少ない例外だ。「强军战歌」がまだ新たな軍歌像を模索中の作品だとしたら、こちらのほうは完成形に近い趣きがある。軍歌のあるべきとされている姿は荘重とか重厚などで表現されるようなモノのはずだが、この曲はなんだかよく分からん路線へと舵を切っている。間奏に激アツな泣きのギターが入っていたり、よく聴けばベースの低音がイイ味を出していたりと、ずいぶんロックっぽい軍歌である。軍が正式に発表した音源でこうなのだからずいぶんと大胆だと思う。朝鮮などでもロックっぽくアレンジした軍歌の例はあるけれど、まさか中国がロック軍歌を発表するとは。こういった新たなカタチの曲で軍歌界を切り開いていってるのは高く評価したい。それに、かつての65式に身を包んだ弱そうな解放軍兵士と違い、現代の将士は体つきも精悍で装備も豊富、軍服もスタイリッシュ、本曲のような彼らに似合う現代ロックな歌があってもよいだろう。
そもそもロックと中国の音楽はくされ縁だ。最初は「摇滚(ロック)=黄歌(エロソング)」という金科玉条によって切り捨てられていたのだが、やっぱり良い曲だから流行る。それを更に取り締まる……以下繰り返し、という流れになった。彼の国は「上に政策あれば下に対策あり」だから、例外にもれずロックグループたちも反抗を開始する。それが紅歌をロック調に歌うというもの。まさに当局の搦め手、といったところだ。こういったものは「红歌黄唱(紅歌をロック流で歌う)」と呼称されたが、余り厳しく規制されることもなく、その後のロックの発展に先鞭をつけた。そして今や当局がロックしている。柔軟と見るか日和見主義者と見るかは各自におまかせするが、紅歌ももともとはサブカルチャー、ロックだってサブカルチャーと考えれば、運命の2ジャンルが出会い、手を取り合って発展しているのは不思議なことではない。もっとも、共産党が天下を取って紅歌はメインカルチャーとなり、ロックは商業主義に侵されてポップ化したことで両者ともサブカルチャーから陥落(昇格?)したような気もするが、そのへんの考察は長くなるので割愛。
さて、ちまきを連想させる名前の作詞者が作った歌詞はどうか。「う~ん〇〇はこういった最高指示を敷衍していて」などという長広舌をふるいたいところだが、「それ誤訳ですよ。何熱く語ってんすか」というツッコミがコワイから出来ない。それほどにタフな翻訳だった。いつもの翻訳ではあまり辞書を参照しないが、コイツは辞書とにらめっこしなければ訳出できない単語がいっぱい。ていうかなんかわざと難しい単語使ってない?中二病?だから私も作者の意志に呼応してむずかしいかんじをいっぱいつかいました。
上から見ていって、まずぶち当たるのが「人未出发,心已到达,意念在厮杀」という歌詞。直訳すれば「人間はまだ出発していないが、心はすでに到達し、意念は殺し合ってる」……????????たぶん、「相まみえて戦う前からすでに意思の闘いをしている」ということだろう。でもこの解釈も「在」が副詞ではないとなると間違ってくる。それはともかく、意志の闘いっていうのは我らが誇る五毛党と日本ネット右翼のレスバトルのこと?
2番の同じ部分もよく分からない。「旗在翻飞,梦已合围,胆略再穿插」、直訳すれば「旗はひらめき、夢は既に包囲し、度胸と知略で再び浸透する」となろうが、よくわからん。夢は何を包囲するの?でもこの夢はたぶん、習主席の「中国夢」構想に基づいたものだろう、という香りがするのは分かる。
全体がこんなだから、直訳すれば味が失われる。そのため今回はかなり意訳した。不自然なところ、直したほうが良いと思われる所があれば忌憚のないご意見ご感想いただきたい。
難しい単語が多くて意味の理解がしづらいが、新たな方向へ舵を切った意欲作なので、ありっちゃあり。でも、おかげでたくさん「〇〇 類語」でググって難しい単語を探さねばならなかったので疲れた。
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