中国語歌詞
日本語訳詞
※日本語訳、現代語訳は武田泰淳、竹内実『毛沢東 その詩と人生』(1965年 文藝春秋新社)より引用。
☆概要
七夕の日を漫然と過ごしながら「そういえば牛郎(彦星)が出てくる毛主席の詞があったような…」と思い起こし、この「送瘟神」に到った。残念ながら投稿は7月8日になってしまったが。
毛主席の詩詞を基にした歌曲の一つである。「坐地日行八万里」から壮大で伸びやかに歌ったり、「春风杨柳万千条」でテンポアップして明るくなったり、非常に感情の豊かな音楽だ。疫病撲滅の喜びが伝わってくるようである。
ここで歌われる疫病は住血吸虫症のこと。本邦でも山梨県を中心とした地域で猛威をふるい、完全に撲滅されたのは1978年であった。一方、中国は余江区に於いて早くも1958年にこの疫病を撲滅している。当時の人民日報に撲滅に関する記事が掲載され、それを見た毛主席が居ても立っても居られずに筆を執ったという。この二首に付言して曰く「あれこれと思いを馳せ、眠ることが出来なかった」。遠足前夜の小学生みたいなかわいい事をおっしゃっている。
少しでも詩詞の教養があればこの詞の妙味を多少なりとも理解できたであろうが、無教養なため「何(he)、歌(ge)、河(he)」と「尧(yao)、桥(qiao)、摇(yao)、烧(shao)」という2つの部分それぞれで韻を踏んでいるのかな、といった初歩的なことしかわからない。それでも、じっくりと読んでいくとやはり味わい深い詞であることが分かる。例えば其一では前半が暗で後半が明という構成だが、明に至ると一気に宇宙まで到達し地球を睥睨するスケールの大きい明るさを持っている。更に、其二では疫病撲滅の喜びを余すところ無く表現した上で、疫病神をユーモラスに扱っている。こうした怒涛のような表現の変化に、「毛主席もよほど嬉しかったのだな」と感じられるステキな詞である。
翻訳に関しては、武田泰淳と竹内実という大家が著した資料によっているので、私のようなエセ中国マニアが訳すよりよっぽど正確なはずだ。
日本語訳を掲載する際に、難しい読みの漢字にルビを振ろうと思いググりながらHTMLとにらめっこしていたのだが、どうしてもルビをふることが出来ずにカッコ表記になってしまった。非常に見づらくて申し訳ない。
現在、世界的に新型コロナウイルスが流行して数多くの犠牲者が出ている。世界各国が手を携えて対策にあたり、コロナウイルスという瘟神を送り出す事を願っている。
☆動画
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